配偶者の健康保険の扶養から外れた人は、自分の勤務先で社会保険に入らないなら、国民年金と国民健康保険の手続きを自分でします。窓口はどちらも住所地の市区町村です。期限はどちらも14日以内と省令で決まっています(出典: e-Gov法令検索「国民年金法施行規則(第1条の4 資格取得の届出/第6条の2 被保険者の種別変更の届出)」)(出典: e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則(第3条 資格取得の届出)」)。
配偶者の勤務先が出す届だけでは、自分の国民年金と国民健康保険の手続きは終わりません。このページは、外れた後の道の分かれ方と届を出す順番をまとめます。外れるかどうかの判定は、130万円を一時的に超えそうなときの記事で扱っています。
外れた後の道は2つ
自分の勤務先の社会保険に入るかどうかで、することが変わります。国民年金の第3号被保険者は、会社員の配偶者として扶養されている人の区分です。第3号でなくなるのは、年間収入の見込みが130万円以上になったときです。障害者の場合は180万円以上です(出典: 日本年金機構「収入の増加により配偶者の健康保険の扶養から外れました。年金の手続きは必要ですか。」)。
| 外れた後の状況 | 年金 | 健康保険 | 自分の手続き |
|---|---|---|---|
| 自分の勤務先で社会保険に入る | 厚生年金 | 勤務先の健康保険 | 勤務先が加入の手続きをする |
| 勤務先の社会保険に入らない | 国民年金(第1号) | 国民健康保険 | 市区町村で2つの届を出す |
| 入るかどうか分からない | この記事だけでは決まらない | この記事だけでは決まらない | 先に勤務先の人事に聞く |
年収が130万円未満でも、勤務先の社会保険の加入条件に当てはまる人は第3号被保険者になりません(出典: 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」)。加入条件は106万円の壁と勤務先の規模の記事にまとめています。
届を出す順番
勤務先の社会保険に入らない人は、次の3か所に届を出します。1つ目は扶養する人の勤務先が出し、2つ目と3つ目は自分(または世帯主)が出します。
1.扶養する人の勤務先
扶養する人の勤務先を通じて「被扶養者(異動)届」を出し、扶養から外します。期限は事実があった日から5日以内です(出典: 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」)。
健康保険組合などに入っている場合は、「被扶養配偶者非該当届」も勤務先を通じて出します。扶養する人が協会けんぽの適用事業所に勤めていた場合は、この届は要らないと日本年金機構は案内しています(出典: 日本年金機構「「被扶養配偶者非該当届」について」)。
2.市区町村の国民年金の窓口
第3号から第1号へ切り替える届を、お住まいの市区町村の国民年金の担当窓口に出します(出典: 日本年金機構「収入の増加により配偶者の健康保険の扶養から外れました。年金の手続きは必要ですか。」)。期限は事実があった日から14日以内です(出典: e-Gov法令検索「国民年金法施行規則(第1条の4 資格取得の届出/第6条の2 被保険者の種別変更の届出)」)。届書の名前は「国民年金被保険者関係届書(申出書)」で、出すのは本人か世帯主です。電子申請でも出せます(出典: 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」)。
持ちものは、次のどちらかです(出典: 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」)。
- 基礎年金番号通知書など、基礎年金番号がわかる書類
- マイナンバーカード(ない場合は、マイナンバーがわかる書類と運転免許証などの身元確認書類)
3.市区町村の国民健康保険の窓口
国民健康保険に入る届は、世帯主が14日以内に市区町村へ出します(出典: e-Gov法令検索「国民健康保険法施行規則(第3条 資格取得の届出)」)。届け出る義務があるのは、扶養から外れた本人ではなく世帯主です。添える書類は市区町村ごとに違うため、市区町村の公式サイトの国民健康保険のページで確かめます。
毎月の保険料
国民年金保険料は、令和8年度(2026年4月〜2027年3月)は月額1万7,920円です。保険料の額は毎年度見直されます(出典: 日本年金機構「国民年金の保険料はいくらですか。」)。
国民健康保険の保険料(保険税)は市区町村が決めるため、全国共通の額はありません。前年の所得と世帯の人数で変わるので、市区町村の窓口で見込み額を聞きます。国民年金保険料には免除・納付猶予の制度があり、日本年金機構の加入手続きのページから案内されています(出典: 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」)。
手続きが遅れると、日本年金機構から「届出はお済みですか(国民年金加入のご案内)」が届くことがあります(出典: 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」)。
税の扶養は外れるとは限らない
健康保険の扶養から外れても、配偶者控除・配偶者特別控除が同時になくなるわけではありません。税は1月〜12月の合計所得で見る別の基準です。2026年分は、配偶者の給与収入が207万円以下なら配偶者特別控除の対象です(出典: 国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし(基礎控除の引上げ等)」)。年末調整では、扶養する人が配偶者の収入見込みを申告書に書きます。
用意しておく情報
- 扶養から外れる日(扶養する人の健康保険が決めた日)
- 扶養する人の健康保険の名前(協会けんぽか、健康保険組合などか)
- 基礎年金番号通知書またはマイナンバーカード
- 自分の勤務先の雇用契約書(週の所定労働時間と契約期間)
- 住民票上の世帯主がだれか
この記事だけでは決まらないこと
| 状況 | 決めるところ |
|---|---|
| 扶養から外れる日、いつの収入で判定したか | 扶養する人の健康保険 |
| 自分が勤務先の社会保険に入るか | 自分の勤務先 |
| 国民健康保険の保険料の額と添える書類 | 市区町村 |
| 国民年金保険料の免除・納付猶予が受けられるか | 市区町村・年金事務所 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除の額 | 扶養する人の勤務先(年末調整)・税務署 |
次にすること
- 扶養から外れると分かった時点で、自分の勤務先の人事に、社会保険に入る対象かを聞きます。
- 入らない場合は、扶養する人に勤務先への届(被扶養者異動届など)を出してもらい、外れる日を確かめます。期限は5日以内です。
- 外れる日から14日以内に、市区町村で国民年金の切り替えと国民健康保険の加入を届けます。
聞く先と聞く内容の例
- 自分の勤務先の人事:「配偶者の扶養から外れます。私は勤務先の社会保険に入る対象ですか。週の所定労働時間は何時間の契約ですか」
- 扶養する人の健康保険(勤務先経由):「扶養から外れる日はいつになりますか。資格がなくなったことを示す書類は出してもらえますか」
- 市区町村の国民年金・国民健康保険の窓口:「配偶者の扶養から外れました。国民年金の切り替えと国民健康保険の加入に必要なものは何ですか。保険料の見込みも知りたいです」
手続きと金額は2026年11月1日に日本年金機構の公式ページとe-Gov法令検索で確認しました。当サイトは個別のご相談には応じていません。